職業考

Date:2002.11.14
Last:2003.10.17

Wizap!における職業選択について考える。

はじめに

純粋にゲームをプレイするための便宜をはかることを求めるならば、最初に能力値を20に揃えてしまうことに越したことはありません。(能力値を20にする方法については、「1st.AAA」で解説されています。)

また、「私はキャラクタの特性を生かしたプレイをしたい!」という方には、最初に(必要なら羊飼い等を経て)詩人に転職し、そのままプレイを進めることをおすすめします。(資金は‥根気でためるなり、医師を副業にするなりしましょう。)

ここでは、「Wizap!の職業とは、一体なんだったんだろう。」という、ゲームシステムへの疑問・興味に基づいた 簡単な整理と考察を試みています。

職業選択において目的とされるもの

ゲーム中 職業を選択する理由としては、主に以下のものが考えられると思います。

しかし能力値変化と就業条件とが複雑に絡み合うため、現実には なかなか目的を達成することができません。

上に掲げた目的のうちの前二者に関しては、狙いの職業に就くことができさえすれば達成される性質のものです。そこで、問題は結局 就業条件と能力値変化の関係へと帰着します。

どうすれば、思うように能力値を操作することができるのでしょうか。そのためには、問題となる要素である「就業条件」と「変化能力値」の双方を考察してみる必要がありそうです。

就業条件の整理・分類

就業条件の表を一睨みしてみると、

ということに気付きます。

また主軸となる四つの能力値ごとに職業を分類分けすると、力強さの系統が六つ、知性の系統が八つ、器用さの系統が四つ、素早さの系統が二つと 職の数には大きなばらつきがあります。各々の系統は必ずしも同価値に扱われていないようです。

防衛力が必要とされる職業は、いわば上級職ともいえる「騎士」「司教」「僧兵」「君主」「忍者」の五つだけであり、生命力・守護よりもさらにオプショナルな能力値として扱われているらしいことも うかがえます。

変化能力値の整理・分類

得られる能力値の視点から職業を分類することでも、いくつかの法則が見えてきます。詳細は省略しますが、興味深い事柄として以下のようなものがありました。

これらのことからは、次のことが導けます。

各系統から、約束される進路

「その系統以外の能力値が1だった場合に、どこまでの職が約束されているのだろうか」というモデルについて考えることは、ある系統を選ぶときにほかの系統の能力値を下げなければならないような場合の指針となりうるかもしれません。

例えば「知性の系統に進む場合には、必然的に力強さの系統への道は失われていくのだが、果たして後に力強さを上げることはできるのだろうか」といった場合に、進退を決める役に立つでしょう。

特に能力値の絶対値を上げようとする場合には、この問題は深刻なものとなります。このゲームは、どれかの能力値を1にしなければ能力値の絶対値は上がらないというシステムをとっているからです。

以下では、各系統別に最低能力値からの進路をシミュレートしてみました。(ここでは、なるべく進路を広げる方向へと進めるという決まりにしています。)

力強さ2 生命力5

力強さの系統では生命力がなければ話が始まらないため、5の生命力を与えています。

きこりで力・素早さを上げ、まずは速系統への道が開けます。以下、羊飼い→鉱員→騎士と進めることによって、力強さ20・防衛力20・素早さ20・生命力20・守護20が達成できます。

この初期条件では知性・器用さを上げる道がありませんが、近接戦闘には不自由しないパラメータです。騎士・きこりによって将来も安定するため、戦士系ならば それなりに進路は安定しているといえそうです。

知性11

役人だけでは 話がそこで終わってしまうため、11の知性を仮定することにしました。まずは学者に就くことで、器用・速さの系統への道が開けます。

とりあえず、生命力を上げるために騎士を目指します。(司教・狩人には、知性・生命力が足りないため就職不可能。)

羊飼い→役人×13→鉱員→羊飼い→騎士 として生命力を上げた後は、力強さ系統のサイクルへと進む進路のほかに、知性を上げていくことが可能です。ここでは、知性を上げていくことにします。

商人→学者を経て、ここで狩人に就くことが可能です。狩人→羊飼い と進むことで、力強さ20、知性20、器用さ20、素早さ20、生命力20、守護20を達成することができました。

鉱員・農民などでの能力値配分をうまく用いれば、防衛力をそれなりの値にすることも全く不可能ではありません。知性11からの進路は、かなり安定していると言えそうです。

器用さ、素早さ系統からの進路

数が少ないことから予想はしていましたが、あまり面白味のないルートです。

器用さの系統からは 生命力が足りないため力系統へとシフトすることもできず、そこで頓挫。素早さの系統からは、狩人に就くことができれば力系統へと進むことができ、そうでなければ すぐに行き詰まるという結末をたどります。

少なくとも、器用さだけを残すことのメリットはあまりないようです。

一応のまとめ

どうもこの世界は、知力万歳の世の中のようです。

キャラクタの初期値をうまく生かそうとしても、有効な能力系統の偏重具合から、結局は知性ルートか力強さルートへと帰着してしまうようでした。

‥なんだか、妙にWizap!のシナリオの縮図と一致している気もします。

おまけ・ラルファ復活計画

エピソード「救出」をクリアした場合、ラルファのステータスは「力はそこそこあるが、生命力が低い」という、就職には非常に不利なものになっています。ラルファが一般人と同様の就職をするためには、まず生命力を上げなければなりません。

ここで守護を上げる前に素早さを下げてしまうと、事実上ほぼ詰んでしまいます。

「羊飼い→鉱員→役人」というルートをとることで騎士への就職が可能です。ここからは、好きな系統へと進んでいくことができるでしょう。